最短30分のスピード回答。
■消費者金融業界の歴史
「サラ金」―。
その言葉のイメージはお世辞にも印象の良いものではありません。返済をめぐっての夜逃げ、殺人、強盗・・・。いわゆる「サラ金地獄」。
このイメージ通りの業界は「ヤミ金」と呼ばれるものですが、一般的には、消費者金融業界は「サラ金」であり、「サラ金地獄」が連想されてしまいます。
消費者金融業界では、古くから庶民金融専門の銀行(消費者金融業者)があり、市民の生活に深く根を下ろしているアメリカを手本にし、「サラ金」という悪いイメージを消そうと必死になっています。
最近では、女性タレントをCMに起用するなどして、さわやかなイメージに変わりつつあるかと思います。消費者金融業界の歴史は、「サラ金」のイメージを払拭するための歴史と言っても過言ではありません。
自動契約機の開発
消費者金融業界が「サラ金」というイメージから、どのくらい脱皮できたかを把握することは、なかなか難しいものがあります。しかし、その苦労もここにきてようやく報われる時がきました。
現在、消費者金融業の経営状況は絶好調で、毎年のように最高益を更新しています。それには、市場のニーズに合ったサービス、社会の変化、などさまざまな理由が考えられますが、無人契約機の開発、普及が大きな影響を与えていることは間違いないようです。
消費者金融業界の無人契約機は、95年3月末にはわずか36台だったものが96年3月末に1,000台、さらに04年3月末には10,000台以上に増えると言われています。無人契約機が、市場にどれほど受け入れられているのかがよく分かります。
他業種の参入
社会ではいまだに「サラ金」というイメージが残っていますが、消費者金融市場は今や20兆円規模へと成長しています。これに目を付け消費者金融業界に参入してきたのが、銀行、信販といった金融業界だけでなく、通信販売、レンタル業界。その背景には、バブル崩壊で、金融危機にさらされている銀行をはじめとする金融業界の苦しい経営状況があります。
このことについて消費者金融業界では、強力なライバルの出現、と捕らえる一方で、業界のイメージアップには好影響を与えていると考えています。
サラ金地獄からの脱出
消費者金融業界には、対面与信というノウハウがあります。
あまり知られていませんが、貸し倒れ率は、銀行より低いわずか2%。その理由は、回収の力ではなく、入口の与信のところで債務者を厳しくチェックするからなんです。確実な「本人特定」の技術が貸し倒れを少なくし、「サラ金地獄」からの立ち直りを可能にしました。
対面与信の前提となる「本人特定」は、人間的なふれあい、直接会話し、自分の目で相手を判断する手法です。無人契約機はそれを機械に代行させ、遠隔操作の与信を実現したもの。これは業界の長い歴史のなかでもたいへん画期的な出来事と言えます。
多様化するサービス
消費者ニーズに応えるために、この業界では様々なサービスを開発してきました。それは、利益を伸ばす手段でもありますが、同時に「サラ金」のイメージを払拭させることにもなっています。
その主なサービスは以下のとおり。
街頭でのティッシュ配り
24時間のATM稼動
無人店舗営業時間の延長
ロードサイドへの店舗展開
また、高いといわれてきた金利も、95年からは大手各社はいっせいに引き下げ、今では20%台半ばから後半で並ぶなど、庶民金融を目指し、絶え間ない努力を行っています。
■業界の変遷
「貯めて買うより、借りて楽しむ」
「豊かになった実感を持ってはいないが、並みの生活はできている」
世の中の多くの人がこのように思っているそうです。
その意識は、お金を借りるということでも顕著に表れています。
「借金」といえば生活苦。しかし、今では、安定した収入を背景に、レジャー、物品をはじめ生活を充実させ、楽しむための借金をしている方が大半ではないでしょうか?
「借りて楽しむ!」。生活の変化が、消費者金融業界にも大きな影響を与えています。
近年の動向
上限金利引き下げ、債権内容の良質化、コスト削減、M&Aなど
最近の専業界の主な動向は、
本格競争時代に見合った経営体質の抜本的改善
多重多額債務者や自己破産の急増による債権内容の不良化防止策
次世代への戦略的展開を見すえた技術革新
の3つが中心となります。
貸付残高の伸び率が2ケタから1ケタへと成長鈍化の傾向がみられること、さらに2000年6月の上限金利年29.2%への引き下げによる「経営体質の抜本的改善」が急務となっています。
人件費、販促費など諸々の経費削減、より低金利の資金導入、M&Aもこの面での一つの解決策といえますが、この点は上限金利引き下げが明確になる以前からすでに進行していました。
1998年(平成10年)1月のGEキャピタルによるコーエークレジットの買収にはじまった外資や国内大手企業によるM&Aは、2001年(平成13年)1月のアイフルの信販会社ライフ買収へと進んでいます。今も消費者金融の業界再編は進行中であると言えます。本格競争の時代に突入した専業界の生き残り合戦は、より一層拡大していくものと予想されます。
銀行の参入
銀行・カード・信販・流通など、リテール市場参入相次ぐ
専業界大手を中心に、他業態との提携による事業の多角化という新しい動きも始まっています。
2000年(平成12年)7月、三洋信販とさくら銀行(現・三井住友銀行)、コンビニのエーエム・ピーエム・ジャパンの合弁による個人ローン専門会社「さくらローンパートナー(現・アットローン)」が、また2000年(平成12年)9月、プロミス、三和銀行、アプラスの3社合弁で、インターネットや電話、ファックスなど通信手段を活用した個人向けローン専門会社の「モビット」が営業を開始しました。
また、2001年(平成13年)3月には、クレディアが伊藤忠商事とその金融子会社との合弁で、インターネットを利用した消費者向けネットローン専門会社「プリーバ」を設立、営業を開始したほか、2002年3月には東京三菱銀行とアコム、他3社との合弁による個人ローン会社「東京三菱キャッシュワン」が稼動開始するなど、次々の他業態の参入が本格化しています。
一方、流通系のイオングループやセゾングループなども続々と消費者金融に特化した子会社を設立し、業界への積極参入姿勢を見せるほか、コンビニのローソンやファミリーマートなどでも、独自にクレジットカード会社や主な消費者金融、ノンバンクと提携し、クレジットやキャッシングの返済金の収納代行ビジネスも開始しています。
個人顧客を核としたリテール市場は今後、今まで以上の変革と再編を迎えることになりそうです。